ダリ展、ゴッホとゴーギャン展

※ゴッホ展やダリ展について私のような半端者が何か云うことに、おこがましいというか憚れる気持ちは正直あるのですが、とても良かったので感想を書こうとおもいます。

 

ゴッホとゴーギャン展 

 

ゴッホとゴーギャンの絵は、こどもたちにぜひ見てもらいたいです。

映画で例えると、E,Tやスタンドバイミーのような、素朴なんだけど、何かドキドキする、

そんな感動を与えて、こどもたちの心にしっくり染み渡っていく絵だと思います。

 

絵を見てると、自分の頭の中の記憶がどんどん湧き出てくることに驚きます。

自分が小学生の頃に教科書で見た記憶や、初めてヒマワリの絵の実物を見た感動が蘇ります。

ゴッホ、ゴーギャンの絵画は、まるで宝石を集めたように画面が輝いています。

印象派ならではの光の粒を並べて結晶化させたような色彩は、本物を見ないと味わえない感動があります。

  

優れた作品とは、ずーっと観てられるものなんだなぁと思いました。

 

ゴッホが日本の浮世絵の色彩に魅了されてたこと、ゴーギャンがファンタジーの世界に向かっていくこと、

2人の優れた画家の苦悩と理想を追い求めた壮絶な人生は、時を超えて観る人に感動と勇気を与えてくれます。

もうすぐ終わってしまいますがぜひ見てもらいたいです。

 

 

 

ダリ展

 

ダリの絵は、驚異です。

私はまるでボールボーイのように絵の前で立ちすくみ

何度も「すごい」「すごすぎる」と小さな声でつぶやいてしまいました。。。

どうしてここまで頭の中のイメージを鮮明に絵画にできるのか、、と驚きます。

 

そして、ダリの絵を見てると、それ以降の多くの芸術(バレエ、ダンス、映画、アニメ、日本の画家、漫画家、哲学者、文学など)に広く影響を与えることがよくわかります。

 

展示作品では、ヒッチコック映画やバレエの舞台、不思議の国のアリスのための下絵や、エッチングなど版画がすばらしかったです。当たり前なのですが、絵の具の筆さばきが秀逸。

薄塗りで作られた見事なグラデーション。

 

またアメリカ亡命後、興味を持った原子力や物理学と宗教、神の存在を組み合わせて

絵画にしてしまうというアイデアに改めて感動しました。

 

ダリの絵の実物サイズはどれもそれほど大きくないのですが、

そこに空々しい風景と、恐ろしいほど人物や物を小さく描いたりするので、

絵画的空間の広がりを感じさせます。

 

一見、個人の妄想イメージにも見えるのですが、人間の本能の一部を呼び起こすトリガーのような絵です。

こどもたちには、ちょっと怖いと感じるかもしれませんが、クラシックなホラーとして楽しめるかもしれません。

 

どちらも展示も難しい説明抜きに楽しめる美術の展覧会です。

ゴッホとゴーギャン展は、モネやピサロなどの絵も一緒に観ることができます。

ダリ展は、今まで日本であまり紹介されてこなかった作品もたくさん見ることができるので、

芸術家ダリのイメージを一新するような展示になっています。

 

展示期間は残りわずかですが、

一生モノの体験になると思いますので、ぜひ!!!